moremorenore’s diary

ゆったりゆるゆる

各国によって特色が出てきそうなヒーリング映画 【映画の記録-リトルフォレスト 春夏秋冬-】

   先日『リトルフォレスト 春夏秋冬』を見た。こちらは韓国版で、原作は日本の漫画作品であり日本でも同じくリトルフォレストの題名で映画が公開されている。

   都会の暮らしに疲れたへウォンは久々に田舎の故郷に帰ることになる。旧友や田舎の暮らしの中で、大学受験の後自分より一足先に家を出ていった母を思い出しながら自分を見つめ直すことになるが…という具合で物語は進む。

 

   この映画の魅力の一つが、随所で登場する食事だ。寒い冬にはすいとん(수제비)、雪が解けて春になれば甘い春キャベツを使ったお好み焼きや揚げた花を食べる。夏にはそうめんを食べ、また秋がやってきて寒くなり始めたらトッポギ(떡볶이)を…という感じで季節の変化にともない、へウォンの母との思い出とともに様々な料理が登場する。幼い頃から親の実家に帰省する度に韓国の田舎を経験してきた私にとっては(もちろん私だけではなく韓国の人々にとっても)どの料理も馴染みがあって、「今日の夕食はこれにしてみようかしら…」なんて気持ちにさせる。

   それに食事の場面だけではなく、一から料理するところから描写されるのでそれを見ていても心が落ち着いてくる。食材を煮る音、焼く音、切る音、一つ一つが丁寧に拾われていてとても良い。

  

   私はまだ日本のリトルフォレストを見たことはないのだが、もちろん出てくる食事や料理の家庭や田舎の風景は変わってくるだろう。その人たちの生きる地域によって、馴染んでいる料理も味も変化する。

   その他にも、目に見える料理などの要素以外に国の様相に合わせていろいろ日本版から変更した点があると監督自身が語っているのが面白かった。例えば日本版では二部作になっているのに対して韓国では早い物語展開が好まれる(韓国人はせっかちとよく言われる。私もなんとなく身に覚えがある)ため春夏秋冬を一つにまとめた…など。

   リトルフォレストで扱われる題材は各国によって違う味や魅力が出てくるだろうから、それを比較したり共通点を見つけたりしてみるのも面白いかもしれない。

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【参照】

「韓国版『リトルフォレスト』 日本版とココが違う!」(2018年2月21日).シネマトゥデイ.

https://www.cinematoday.jp/news/N0098604

(2024年3月12日)